
2015年の「子どもクリスマス会」は、12月12日(土)です。
必ずご予約ください。詳細、ご予約は、TEL.047-321-3343(大竹)まで(^^)
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教会学校教案誌『成長』(No.143)2013.10-11-12月号
(いのちのことば社CS成長センター発行)巻頭特集記事
【今年で33年】子どもクリスマス会@市川・聖望キリスト教会
―千葉県市川市、京成国府台(こうのだい)駅周辺の住宅街で、冬の恒例行事として親しまれているイベントがある。
聖望キリスト教会の子どもクリスマス会だ。1981年に始まり今年で33年めを迎える子どもクリスマス会には、毎年保護者からの申し込みが殺到し、参加者は百数十人に上る。
教会のクリスマス会が、これほど地域の人気を集める秘訣は何だろうか。
責任信徒の大竹堅固さん、登巳子さんご夫妻に話しを聞いた。
●父がくれた幼少の思い出
聖望キリスト教会の歴史は、堅固さんの父・達之助さんが、賀川豊彦の路傍伝道をきっかけに入信。戦後すぐ、自宅を開放して始めた家庭集会に端を発する。この家庭集会は十数年続き、堅固さんの信仰も育まれた。
時は流れて1981年、両親の達之助さん、千代さんが高齢になったため、すでに家庭をもって親元を離れていた堅固さんが、両親のそばに越してきた。そこで、驚く出来事があった。
昔、家庭集会に何度か来ていた友達が信仰をもち、近所に住んでいたのだ。
「また家庭集会をやってくれよ。」
友達の頼みもあり、自宅を開放して家庭集会を再開することにした。
登巳子さんの温かい料理で共に食事をし、交わり、祈り合う。
「近所の人が次々と集うようになって、私たちはこの辺りを『十字架横丁』なんて呼んだものです。」
やがて家庭集会は「聖望キリスト教会」と名前をもち、2010年には、自宅の隣の敷地に新会堂を取得した。
5人で始まった教会には現在、50人を越す信徒が集う。「中心的に活動するのは信徒ですが、神学的、信仰的に誤りがないよう、協力牧師の先生方に定期的にお越しいただいてます」と堅固さんは言う。
子どもクリスマス会は、家庭集会再開の年から続けてきた。
開けなかったのは、インフルエンザが猛威を振るった年の一回だけだ。
「当初から、子どもクリスマスは絶対にやりたかったんですね。それは父の影響があります。父は『クリスマスは楽しいものだと伝えたい』と言って、戦後で物資も乏しい中、集まった人たちにミルクキャラメル2〜3粒やせんべい、みかんなんかを手作りの袋に入れて配ったんです。それが楽しみでね。私の中にも、当時来ていた友達の中にも思い出が残っていて、『教会は温かいところだった』なんていまだに言ってくれます。だから私も、クリスマスの楽しさを子どもたちに伝えたたかったんです」
●参加者殺到のプログラム
毎年クリスマスが近づくと、まず、大竹さん宅と向かいに住むクリスチャンの小林さん宅、教会堂がイルミネーションで鮮やかに彩られる。これも81年から続けていることで、地域にクリスマスの訪れを告げる風物詩となっている。
12月1日、名簿をもとに一斉に子どもたちへ案内を発送。
この日から当日までの約2週間の間に、保護者や子どもたちからの申し込みが殺到するのだ。
常連だけでなく初めての人も歓迎で、参加希望者はたちまち百人を超えてしまう。「当日まで『うちの子が、どうしても行きたいって言っているんです。なんとかなりませんか』というお電話をいただきます。以前は『どうぞどうぞ』とお受けしていたんですが、あまりに多いと危ないこともあるので。教会堂がなく自宅で開いていた頃は、泣く泣くお断りすることもありました」と、登巳子さんは言う。
子どもクリスマス会は聖望キリスト教会の一大イベント。毎年、登巳子さんが綿密に作成した進行表をもとに、信徒が段取りを把握し、担当を分担して準備を進める。
「それに、近所の方々の温かな協力があるのも、この子どもクリスマス会の大きな特色です」と堅固さん。
当日、信徒は早くから集合し会場作りなどに取りかかる。
現在は外部発注だが、以前は休憩に出す軽食の準備も、この時間の必須作業だった。
開場時間が近づくと入り口に受付係が待機。サンタの仮装や着ぐるみの動物たちもスタンバイし、次々とやってくる子どもたちを出迎える。
玄関では下足係が番号札と引き換えに靴を預かり、慣れた手つきで素早くビニール袋に入れていく。30年以上続けているおかげで、作業も慣れたものだ。
会場がいっぱいになると、いよいよ子どもクリスマス会が幕を開ける。第一部は、ゴスペルシンガーのリードで歌うクリスマスソング、ミュージックベル演奏や降誕劇といった教会学校の出し物、そしてゲストによるメインイベントなど。とくにゲストは、年によって手品師、腹話術師、クラシックの演奏家など多種多様。その道のプロやセミプロを招いて、クォリティの高いプログラムを提供している。「昨年は、アメリカでも屈指のフィラデルフィア・バイブル・ユニバーシティー聖歌隊が震災支援で来日していたので、お願いして出ていただきました。カイク加藤さんという手品師の方もよくお招きしています。奥様の腹話術と併せて、うまく福音を語ってくださいます」と堅固さん。マジックはハトが飛んだりと本格的で、子どもたちの歓声と拍手が湧き起こる。
軽食を兼ねた休憩を挟んで、二部は子どもたちへのプレゼントタイム。ゲームやじゃんけんに勝つと賞品がもらえたり、玄関でもらった番号札で抽選をして、豪華なプレゼントを当てるのだ。跳び跳ねて喜ぶ子、大きなため息。保護者を巻き込んで会場のテンションは最高潮に達する。
子どもクリスマス会の締めくくりはキャンドルライトサービス。子どもたちは、それまでのにぎやかさとは打って変わって、厳重な顔つきでペンライトの明かりを見つめる。
「毎年、明かりの中で子どもたちが手を組んで歌っている姿を見ると、何とも言えない気持ちになります」と、登巳子さんは目を細める。
「きよしこの夜」を歌い、最後に「イエス様、メリークリスマス!」と声を合わせて閉幕する。
盛りだくさんのプログラム。効率よく、テンポよく進行するためには、裏方を務める信徒の連携が不可欠だ。
●原動力は「笑顔が見たい」
「来年も絶対来る!」
興奮冷めやらぬ子どもたちを見送った後は、その日に反省会を開いて改善点を話し合う。
聖望キリスト教会の子どもクリスマス会の特徴は、常に発展的であること。
「これでいいや」はなく、来年はもっといい会にしようという意気込みが表れる。
その背後にあるのが、「子どもたちに楽しんでもらいたいという思い」だと、堅固さんは話す。
相手が子どもだからと、内容、進行に手を抜かない。呼ぶゲストは常に「本物」を目指す。プレゼントも「人にあげるのが好き」という堅固さん。
おもちゃ屋等を回り、子どもたちの喜ぶ顔を想像しながら少しずつ買い集めるのが、楽しみのひとつだ。
常日頃から、美術サロンを企画したり市川市のガーデニングフェスタに参加したりと、教会が地域とより楽しく関われるよう、さまざまなことに挑戦しているという。
「この32年、いろんな思い出があります。コンプレックスがあってフードで頭を隠していた子どもが、最後には大はしゃぎしていたり、中学生になってからも『楽しかったから』と手伝いに来てくれる子がいたり…。昔来ていた子どもが親になって、お子さんと来てくださるケースも多いんですよ」と登巳子さん。
堅固さんは「一生懸命にやると伝わるのかなぁ。神様が私たちの思いをはるかに超えて、祝福してくださっていると思います。会が終わって数日後、近所の子どもたちが『グローリア、グローリア』なんて覚えた賛美を歌っているのを聞くとうれしくなります。彼らの頭の片隅にでも、『子どもの時、教会楽しかったなぁ』という思いが残ってくれれば、それがいちばんです」と語った。――